読破してからだいぶたってしまった。辻村深月さんの作品。読む順番が決まっているということだったので、前回読んだスロウハイツの神様の関連のある記述を探しつつ読んでみたが、特に関連はなかったらしい。
閉じ込められた空間に高校生の男女が取り残されるのは「鏡の中の孤城」とリンクするものがあったが、ホラー感もあるため、この世界を作っているのは?自殺したのは?誰?誰?と読んでいる最中は頭の中がぐるぐる…。上巻を読み終わっても、高校生たちを攻撃し続ける「ホスト」の存在は明かされず、翌朝、仕事へ向かう横断歩道の赤信号ですら本を開かざるをえなくなる…。
パラレルに閉じ込めた犯人、そして、その理由、読後、明らかになって私の中にうまれたのは、「スロウハイツの神様」の「コウちゃあああん!」という赤羽環の叫び。道を歩いていても、ぼーっとしていても、なぜか頭の中をこだまする。
そして赤羽環の目力、食いしばった歯、ケーキのシーン。それらが、「校舎の時は止まる」でまざまざと蘇ったのだ。それは私自身の逃げなのかもしれないし、どうしようもなく追い詰められている高校生たちを愛で書き換えたかっただけだったのかもしれない。
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