あきない世傳五

読書

今読んでいるものからさかのぼっていこうかと思ったが、続きが気になって読了したので記録する。時代は江戸。奉公に女衆としてあがった幸は呉服を扱う五鈴(いすず)屋の長男次男三男と婚姻しご寮さんとして才覚を発揮していく。

5巻、全体的に温かい雰囲気が漂うこの巻。夫婦仲も順調で桔梗屋というお店を救ったことが店を拡大していくことにつながり、幸の貫禄も増していく。幸せな描写が続くと、いつくるいつくる?と急転直下の展開を考えてしまうが、期待に漏れず。幸を襲う不幸に、あー、やっぱり。という感想。夫智蔵の病もじわじわと忍び寄る気配をみせつつ物語は終盤へ突入する。田舎から引き取った実の妹、結の存在が今後キーになることが伏線で描かれている気がする。

いつでも新しいことに目を向けている幸、悲しみの中にあってもそれをおくびにも出さない、でも出されないと私みたいな鈍感な読者も疑問に。そこを結と古株のお竹の「姉さんは悲しくないんやろか」の問答で幸の芯の強さが露呈され、幸自身もこっそり救われるところにまた救われて。智蔵好きだったんだけどなぁ。もし急逝したら、惣次を戻して幸は江戸へ行くとかになるのかなぁ。

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